裏六甲

(更新日: 2023.09.20) 0

白石谷溯行。白竜滝の巻道から右俣を詰めてみる。有馬四十八滝の消えた滝を探しに。


14:34 ここは白竜滝がある地点。左端にちょいと見えている。2016年1月溯行時は巻道は使わなかったので、右俣のようすは見ていない。


白竜滝を左に見ながら右俣(=巻道)に入っていく。

ここで改めて「六甲_摩耶_再度山路圖」。白竜滝手前の右俣の奥に「布振滝」その先に「猿渡滝」があるように示されている。Muscle的にはこの地図の諸々の位置は現在でも十二分に通用すると思っている。ちなみに今回大安相滝(ダイアンソウ)奥の右俣、小安相滝(コアンソウ)も行こうかと思ったけど、タイムオーバー。またの機会。


崩落が激しそうな右俣入り口。赤ペンキでマーキングされた岩も割れてしまっている。


岩屑に埋まっている、かつては小滝だったであろう箇所を越えると谷が左に曲がる。倒木の辺りにロープが垂れている。


曲がった地点にある滝。Muscle的には曲がっている地点ということと、その周囲のようすから「布振滝」ってこれじゃないの?と思ったりする。先程の岩屑小滝を含めてそう呼ぶのがふさわしい気がする。滝の左にはロープが垂れていて、その先は白竜滝の上流に出るんだろう。


滝を登り、巻道に別れを告げる。この右俣を詰めて行こう。奥には小滝が見えている。この谷筋(本流)にはダムが合計で7基あった。「六甲_摩耶_再度山路圖」で見る猿渡滝の位置は下流から1基目と2基目の間あたりにあったように見える。


さて1基目の治山ダム。ここは右から越える。水流は岩屑に隠れてほとんどない。越えた先は藪とガレ。棘もあってしんどいなぁ…。


2基目の治山ダム。これも右から越える。この区間に滝を思わせるようなものは皆無。完全に埋まったか、そもそもダムによって崩されたか。


2基目を越えると写真ではわかりづらいけど、二俣になっている。本流と思われる左俣を選択。そこでようやく水流が顔を少し覗かせる。沢には無粋なパイプも転がっている。
続いて3基目のダム。これまた右から越える。お腹いっぱいになってきた。


ダムを越えて谷に戻ると猛烈な藪。四つん這いになったりしながら頭から突っ込んでいく。続いて4基目のダムを左から越える。天端で水分補給してしばし休憩。ダムから谷に戻るとややわかりにくいけど二俣。左俣へ。そこから先は本当に短いスパンで3連ダム。ダム間は藪。ダムと藪のコンボで朦朧としてきた…。


これは最後の治山ダムを左から越えてきたところ。もうヘロヘロでこのまま奥に見える稜線に出ようかと思ったんだけど、ここまで来たなら最後まで詰めてみようと思い直す。


谷に戻ると派手に半円管が転がっていた。コンクリの溝に埋め込まれているやつ。これ六甲でよく見るんだけど、これまでのMuscle経験上、半分がこうしてぶっ壊れている。どうにかならないものか…。さて、これがあるということはドライブウェーまで谷止工が続いているだろうと思い一安心。


しかし期待はあっさり裏切られ、ザレの登り。が、それもほんの少しだけで、進むと笹藪の道になっていた。


意外に濃い笹藪が現れる。この時期はどうしても突っ込むのが憚られるものの、行かないことには脱出できない。左奥の谷筋を選択。すぐに扇状の斜面になって適当な場所を選んで進んでいく。


なんとか無事に縦走路に出た。一軒茶屋の自販機でパワーゴールドを一気飲み。帰りは魚屋道で有馬温泉駅へ。そういえばヘルメットの留め具の件、炭屋道から先、ゆっくり歩いて探しながら下ると普段の倍かかる始末。しかも当然見つからない。
なんだか今日は消化不良気味。そもそも歩いた谷筋が藪+ダムでまずかったなぁ。神鉄有馬温泉駅から谷上経由で新神戸へ帰る。
ところで、Muscleが思うにどうも過去の情報と現在の情報の間にミッシングリンクというか、抜けた期間が20年位ある。明治から昭和初期の情報の濃さに引き換え(戦時中は別として、登山ブームの衰退があったっとは言え)、1980年±5年あたりから2000年以降のネットの普及までの期間が薄く、欠けている印象。六甲山ではS42の水害以降のダム建設ラッシュと登山ブームの衰退が重なって、山の情報が欠けたのか。ダム建設の最盛期の六甲山ってどんなだったんだろう? 水害、ダム建設、地震、時流etc. つながらない部分が多いのも致し方なしなのかな。


などなど、色々思いながら北神急行でウトウト…。新神戸駅の改札を出て、通路を歩いていてふと足元を見ると、なんと!バイザーの留め具が溝に落ちていた。ちょっと感動。6時間くらい経っているのに意外とそのままだったりするんだなぁ。にしても初っ端から落し物をしているのはいただけない。

現在までの踏破録(水色破線はまだ歩いていない谷)

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大師道から再度公園修法ヶ原池へ。道中は虫まみれ。次のページ

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