2025年7月6日 日曜日。少し前、久しぶりに六甲_摩耶_再度山路図を見ていると気になる山の名前があった。それがこちら。
阪急岡本の北側に五百山(いおやま)158mがある。その南西には宝積寺(ほうしゃくじ)。
はて?そんな山、あったっけ? 現在の地図にはもちろん、どちらの名前も載っていない。
わずかでも痕跡がないものかと思い、行ってみることにした。
JR摂津本山駅で下車して、駅の南から西へ向かう。
五百山を調べる中で「山路城」という城跡の存在を知ったので、まずはそちらの痕跡を探してみることに。
手水(てみず)公園の北側に来た。ここは山路城の二の丸があったとされる場所。
だけど、それらしいものは特に見当たらない。よくある普通の公園。
公園の西側、本山南中学校の北東門には「甲南女子学園発祥之地」の石碑。
手水公園から西へ進み、JRを潜って本山中学校の南側へ。
こうして見ると、そこそこ傾斜があって、ちょっとした尾根っぽい地形。
どうやらこのあたりが山路城の本丸だったらしい。
中学校の東側を北へ上り、山手幹線を西へ進んで小学校までぐるっと回ってみたけど、それっぽいものは特になし。
さて、次の目的地へ。ここは山手幹線と十二間道路が交わる交差点。
我々夫婦は勝手に「だんじり交差点」と呼んでいる。
だんじり交差点を北へ進むと、右手に特徴的な建物が現れる。これが宝積寺。
六甲_摩耶_再度山路図にあった宝積寺が、移転してきたものだと思うんだけど、この時点では確信がない。
なにか聞けないかとインターホンを鳴らしてみたけど、本日は不在のようす。
ふとお寺の掲示板に目をやると、「五百山 宝積寺」と書かれていた。
やはりこれは、かつて五百山の麓にあった宝積寺に違いない。「五百山」という名称がこうしてしっかり残っていて少々うれしい。
お寺をあとにして、北へ向かう。写真中央の奥あたりが五百山。
まずは、かつて宝積寺があったとされる場所へ向かってみる。道路を北へ渡り、左脇の道を岡本梅林方面へ。
進んだ先で変形の四差路に出る。左に曲がり、坂道を登る。
少し登ると、アスファルト舗装から滑り止め付きのコンクリート道に変わる。
このあたりが、かつて宝積寺があった場所と思われる。
その一角には、Googleマップなどでも確認できるU字型の特徴的な道がある。
道路の北東隅にあったこれ。ストリートビューで見たときは、何かの境界かと思っていたけど、ただの白線の切れ端だった。
少し不思議なのは、かつて「梅の寺」と呼ばれていた五百山 宝積寺があったこの場所。
現在は梅林方面との間に「背谷川」という細い川が流れていて、対岸は急斜面になっている。
どうやって梅林とつながっていたのか…岡本エクセルのあるあたりからアクセスできたのかな?
結局、ここまで遺構らしい遺構は何も見当たらず。
あったとしても、コンクリの細道に埋まっている、このような謎の石柱くらい。
それでは、いよいよ最後の目的、五百山の探索へ。
背谷川を渡り、岡本エクセルの前を通過する。
イノシシ柵のあるところから梅林へ。
街中歩きが続いて、二人ともそろそろヘロヘロ。東屋でしばしコーヒーブレイク。
梅林を北へ抜けて、近道しようと選んだルートが大誤算。鬼のような階段道が、上までずーっと続いていた…。
あとから調べると「100段階段」という名前らしい。
実際には200段あるみたい。途中、何度か振り返ってみたけど、足元がゾワゾワするほどの急傾斜。
階段を登りきって、そこから西へ回り、北へ。最初に東へ伸びる道へ入ると、左手に階段がある。
その先が、Googleストリートビューで気になっていた「杭」のある場所。
これがその杭。てっぺんに境界標のような切れ込みのある石柱。
御影石で、なかなか年季が入っていそうな風貌。
実際には左右で一対になっていて、雰囲気的に「車止め」っぽい。
ちょうどご近所の方がいらしたので、なにかご存知ないか聞いてみたところ、「昔からあったけど、車止めだと思いますよ」とのこと。
車止めから東側を見ると、ゆるやかな傾斜の先に「岡本ハウベス」というマンションが建っている。削られて標高も下がっているけど、おそらくこのあたりがかつての五百山山頂(六甲_摩耶_再度山路図と現在の地図を重ねるとちょうどこのあたり)。そして、五百山城があった場所だったんじゃないかと思う。家なんかなければ、まさに要害の地という風情。
結局、最後まで明確な遺構は見つからずじまいで終わってしまった。Notungさんなにかご存知ないかなぁ。
締めくくりは、先週に続いての「ヤマモモ収穫」という名目で、ウルフくんに会いに行く。
今日は少し青みの残るヤマモモを中心に収穫。
山を下りて、住吉川沿いを歩いて住吉駅まで。水の流れが涼しくて気持ちいい。夏だなぁ。
ホワイトリカーに氷砂糖を入れて、今年のヤマモモはこれでおしまい。また来年。
岡本周辺は、折を見てまたちょくちょく歩いてみようと思う。
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