摩耶

(更新日: 2020.06.24) , , , 4

敏馬神社から島田道を経て摩耶ケーブル下。摩耶東谷を下って深谷第三堰堤の谷を登る。

2017年12月23日 土曜日。12:05起床。風邪をひいてから2週間経つものの未だ調子は上がらず…。ここ最近はせっせと摩耶東谷に行っている。摩耶東谷は忉利天上寺への参詣道だったわけで、その痕跡を探しているんだけど、まだ決定的なものは何も見つかっていない。今週の頭に天上寺へ電話して何かしらご存知ないか聞いてみた。結論としては知らなかったわけだけど、いくつか興味深い話もきくことができた。というわけでその話をきっかけにして今日の山歩きに向かう。


13:26 阪神岩屋駅で下車。ここから南東に下るとすぐに敏馬神社がある。


敏馬神社の北西角に来た。ここから先は緩やかに下っていて、その先は現在国道2号線、HAT神戸、摩耶埠頭がある。かつては綺麗な濱が広がっていた場所。


境内の一角に敏馬浦の変遷が書かれている。ところで摩耶山天上寺の開祖は法道仙人。仙人は難波からこの敏馬の濱に着いて、十王山光明寺(閻魔堂)を開いたそう。ところでここに来た理由は別にある。


敏馬神社の東には龍泉寺がある。かつては敏馬神社の神宮寺だったそう。天上寺のお坊さんの話ではこの寺の境内に何かしら「摩耶への道」を示す道標があるそう。廃仏毀釈の時の話も色々聞けた。色々と遺恨が残っているみたいです。


龍泉寺の塀の脇、下が埋まっているけど「左龍泉寺 右京大坂」背面には摂州敏馬と掘られている道標があった。


寺に入り境内をウロウロ。どうもそれらしいものは見当たらない。扉をトントンとすると住職らしき方が出てこられ、「そうした石はありますか?」と尋ねると無いそう。先程の道標は西国街道の類と仰った。う〜ん、しかし西国街道はここからもう少し北なんだよなぁ。それはさておきこのお寺、聖徳太子の開基なんだとか。


敏馬神社から北側は道路やらJRやらマンションやらで寸断されていて、どう歩いていいものか…適当に歩いてきて高橋北交差点。正面奥には摩耶山が聳えている。昭和35年の日活「竜巻小僧」のワンシーンに比べると随分とごちゃごちゃしているのがわかる。


阪急王子公園駅の手前から東へ向かい西郷川に来た。西郷川の上流は青谷川、老婆谷と続く。車が停まっている橋を渡り、東へ。すぐに線路下をくぐり北へ向かう。


左にはなんだか古そうな石垣が。その上には某宗教施設。かつては何があったんだろう?さて、このまま道を北上していく。


福住小学校の北東角に来た。ここにあるのが「まやみち」の自然石の道標。神戸の道しるべを訪ね歩くサイトから直に引用すると

「岩屋村から摩耶山登り口にあった閻魔堂までの道筋は島田道といわれていた。この島田道と東西に走る山麓道路が交差する辻にこの道標は建てられていたのである。造建者の銅屋善兵衛は大阪四ツ橋で両替商を営んでいた摩耶山信仰者であったと地元に伝わっている。《神戸の道標》」

ということらしい。天和2年(1682年)のもの。その頃には「まやみち」として認識されていたんだなぁ。ところで天上寺への参詣道の1つに現在の雷声寺から続く旧摩耶道(もとまやみち)がある。旧(もと)と名前があるからには、現在の旧摩耶道がより古い「まやみち」だったのか。参考にしたものの中で摩耶山さん歩さんの記録摩耶山 旧摩耶道(もとまやみち)があるんだけど、その記述内容を引用すると(手持ちの1991年第4版から加筆修正)

元摩耶道のこと
昔、熊内八幡神社の3段上に真言宗布曳山滝勝寺があった。本尊は布引の滝壺から出土したという馬頭観音で通称滝寺という。最盛期は寺坊36を数え、またその擁していた僧兵が布引の城山への赤松円心攻めに際し赤松方にくみして戦ったというほどの勢いだった。世人の敬仰熱く、摩耶山上の忉利天上寺とこの滝寺とは兄弟寺として、 組み合わせて参詣することが当時の慣わしであったそうだ。この二つの寺をつなぐ参詣道がこの元摩耶道で、明治20年ごろが最も盛んであったとか。またこの辺りの里人は日常の炊さん等の、燃料である薪の類を採集するための往来も繁げく、この道はいつもきれいに管理されていた。それが時代の移り変わりでその必要もなくなり、滝寺は他所に移転する等もあって、 信仰も世相も著しく変貌しさらに、水害、戦争などもあったりしてすっかり人通りがとだえ、荒れ果てたジャングル化してからすでに50余年の月日が経ってしまった。50年の歴史をもつ地元の登山団体突破嶺(つくばね)会の人々が、勤労奉仕で元摩耶道の復旧に着手したのが昭和41年6月。爾来休日ごとに大勢の会員達が汗を流して作業すること3ヵ年余で、雷声寺ー行者茶屋間2.1キロのハイキングコースを復旧し、さらに東山尾根、西山尾根、中尾谷をも修理し、安心して楽しく歩けるようにしたのが今日の姿である。

サイトを運営されている摩耶山さん歩さんにTokiwaさんが出典を確認してくださり、それは「六甲ハイキング」からの文章だそう。ちょっと前の話にはなるけど、Amazonで買っていた。


手持ちの「六甲ハイキング」から摩耶東谷の部分。これで見ると行者滝手前から支流に入って、マヤカン西に至るような道筋になっている。時代とともにハイキング道としての道筋は変わっているようす。私の認識では行者滝を越えてその先の右岸支流に入るのが摩耶東谷の道。


少し話が逸れてしまった。元に戻そう。先程の「まやみち」の道標から閻魔堂までは島田道ということになる。道標からすぐ北の地点で二俣になっている。パッと見は左だろうと思う。しかしここは敢えての右の細道を選択。現在の住所でいうと天城通六丁目あたり。


「高御位神宮 熊野修験道本庁事務局」の表札のある敷地の一角に塀を突き破る木があった。写真奥の細道を東へ進む。左側には周囲からは浮いているようなかなり立派なお宅があった。路地を抜けて左へ曲がる。


地元の方ならよくご存知のお宅なのでは?そう思える広い敷地の一角はオーキッドマヤというマンションになっている。ここから北上。


道なりに北へ進む。ここは坂バスの路線になっていてる。おそらくここが島田道なんだろうと思うけど、なにも確証はない。しかしバスが通っていたり、今でも比較的人が歩いているようす。そうした場所ってやっぱり謂れがあるものだと思う。


坂バスの道、あるいは神戸市バス18系統の道から外れて神戸高校の東側を北へ進んでいる。14:16。14:20発の摩耶ケーブルに乗るべくダッシュで階段を登る。


栗田貿易がある地点。ここらあたりに十八町の町石があったと思われる。この坂の先に見える「チャームスイート神戸摩耶」がかつて光明寺(閻魔堂)があった場所だ。


摩耶ケーブル下に来た。茂みの中にあるのが十八町の五輪塔。文安四年(1447年)のもの。S13念の水害で大半の町石はなくなったみたい。その中でも十三丁はもとより個人的には十六丁、八丁などは比較的古そうに思う。その他は欠番も含めて新しそうだ。
とりとめのない前半の街中歩き。まとめるのは少し先になりそう。さて無事ケーブルの出発には間に合った。後半へ続く。

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天神谷東尾根から再度ドライブウェイ経由で山田道を下る。次のページ

コメント

  1. すみませ、、ん
    思わずコメント記入です。
    余りに見慣れた景色をアップされていたので、、、
    ついつい、、。
    私の名前まで載せてくださりありがとうございました。

    • さん歩さん こんばんは〜

      勝手にお名前出してしまって…引用までして…
      先にお断りした方が良かったかも…
      でも、ま!おゆるしください。

      さん歩さんの記録はなんだかほんわか?な感じでいつも楽しく読ませていただいてます。

    • 山歩き
    • 2017年 12月 24日

    こんばんは。
    最後のトラバースは東谷の岩棚から山寺尾根に行く道ですよね。
    途中で尾根と山腹になって、これは山腹側ですね。

    ここまでドアップの写真は初めてですが、ここを歩くのは結構勇気がいりそうです。
    道幅がかなり狭く、高度感もありますからね。
    僕は下から見に行って引き返して尾根道で登ったり、上から見に行って引き返したり、怖いくせに興味があって何度か見たことがあります。
    もちろん通行は出来ませんが・・・。

    改めて写真を見ると、ここを通れる人は凄いなと思います。

    今年はこのブログを発見して、楽しませて頂きました。
    本人にも会いましたし。
    ありがとうございました。

    来年も安全第一で、レポお願いします。

    • 山歩きさん こんばんは!

      最後のトラバース道、足元も緩く、獣道程度の幅ですし、
      結構切れ込んでますので進んで歩く理由はないかもしれません。
      以前下った時は尾根側をまっすぐ下りました。

      今年もあとわずか。多分年内はあと1回か2回山に行きます。
      どこかでまたお会いするでしょうね。来年もよろしくお願い致します。

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